〒792-0822 愛媛県新居浜市寿町1-43

0897-41-8143

0897-41-8143

E-mail:hanarabi@hanarabi.gr.jp

 
 
 

矯正治療例

●矯正治療が必要な歯ならびとは

8.外科的矯正治療

骨格的な偏位(ズレ)が著しく矯正治療単独ではだけでは十分な噛み合わせを確立することが困難な場合、顎離断手術などの外科的手術を併用する矯正治療をおこなうことで、噛み合わせのみならず、顔貌の改善も可能とする治療方法です。

治療スケジュール:

1. 矯正歯科医院受診(一時間前後)

初診時に必要な写真などで矯正治療について詳細を説明する。
外科的矯正治療の可能性がある患者さんについては外科手術について矯正歯科医の立場から追加説明を行う。
矯正治療を希望の患者さんには矯正治療前検査の予約をお取りして頂く。

2. 矯正治療前検査(一時間前後)

口腔内模型、レントゲン写真など一般的な矯正治療前資料を採取する。
外科的矯正治療の可能性がある患者さんについては顎機能および筋電図検査を追加採取する。
矯正治療前検査終了から1カ月以内くらいで予約を取って頂き、診断結果報告を行う。

口腔外科医と矯正検査資料をもとに外科的矯正治療についてカンファレンスを行い治療方針の確認を行う。

3. 診断結果報告(30分から1時間前後)

検査資料をもとに立案した治療計画および口腔外科医との外科的矯正治療内容を含めた診断結果報告を行う。

側貌(口元)シミュレーション

治療前                        矯正単独治療                       外科手術併用

口腔内シミュレーション

4. 術前矯正(1年から2年間)

症例に応じてマルチブラケットのより術前矯正を行う。

口腔外科医と外科手術前に咬合の最終確認を行い、術前矯正治療終了時にサージカルスプリント(手術固定用装置)を制作しする。
外科手術前矯正検査を行う。
症例および医療機関によっては自家輸血採取を行う。
手術日の2週間以内前に外科手術前の全身麻酔管理のための検査を行う。
手術直前にサージカルスプリントの試適調整を行う。

5. 入院(1週間から3週間)

1) 入院当日
入院生活のオリエンテーション
麻酔科医から既往の問診、説明
口腔外科担当医の診察
 
2) 手術前
朝浣腸を行い絶食で、体調によって手術まで点滴
 
3) 手術後
翌朝まで酸素マスクで、ドレーンチューブ、バルンは継続
食事は摂取し抗生剤、ステロイド、抗ヒスタミン薬などを点滴
 
4) 手術1日目
酸素マスクを撤去、バルン抜去
レントゲン撮影(TMJ、パノラマ、セファロなど)
点滴は継続
 
5) 手術2日目
ドレーンチューブ抜去
TBI 点滴は継続でミキサー食を摂取
 
6) 手術3から4日目
スプリントをスーパーボンドなどで固定しゴム掛け開始
スプリントの溝に開閉口できるように開口訓練
点滴は継続でミキサー食を摂取
熱がなければ入浴可能
 
7) 手術5から7日目
ゴムのサイズなどを調節し開口量の増大訓練(リハビリ継続)
食事は注射器による吸入からスプーンに移行
点滴終了
 
8) 手術5から7日目
担当医の許可にて退院
スプリンとの適合状態、開口量(一横指半)、会話状態の確認
 
9) 退院後
ブラケットの脱離など矯正装置あるいは開口量状態を確認し、外科手術後矯正検査を行い、術後矯正治療に移行する。

6. 術後矯正(半年から1年間)

手術後、緊密な咬合の獲得を目的として術後矯正治療を行う。

7.保定(2年間)

マルチブラケット装置除去後に動的治療終了時検査を行い、動的治療後2年間症例に応じた保定装置を使用し保定を行う。

8. プレート除去

保定開始6カ月以降の保定期間中にプレート除去を行う。プレート除去を行わない医療機関もある。

 
治療前
▲X-Ray(正面)
▲X-Ray(正面)
▲X-Ray(口元)
治療後
▲X-Ray(正面)
▲X-Ray(正面)
▲X-Ray(口元)
主訴 歯ならび、物がかみにくい、顎が痛い 診断名 顎変形症を伴った骨格性下顎前突開咬症例
初診時年齢 21歳2ヶ月 動的治療期間 39ヶ月
抜歯部位 抜歯部位
使用装置 0.018"×0.025" standard edgewise
その他の装置 -
保定装置 上顎 Begg Type Retainer、下顎 Begg Type Retainer
治療費用(税別)
装置料 メタル 外科矯正保険適用 処置料 外科矯正保険適用
保定装置料 外科矯正保険適用 経過観察 外科矯正保険適用
診断時の特記事項
顔貌所見 正貌は若干下顎が左側に偏位していた。中顔面部の上顎劣成長が認められ、上顎に対して下顎骨が優位で、下顎が顔貌を呈していた。
口腔内所見 オーバージェット、オーバーバイトともにマイナスで大臼歯関係はアングルⅢ級であった。上顎前歯の唇側傾斜が認められ、下顎の舌側傾斜が認められた。
X-ray所見
セファロ所見 下顎が上顎に対して左側に偏位していた。SNB84.8°と突出しており、上顎前歯の唇側傾斜が認められ、下顎の舌側傾斜が認められた。
パノラマ所見 下顎左側中切歯に根管治療の既往が認められた。
批評・予後・リスク
批評・予後 上下顎顎離断手術により上顎は前方へ、下顎は後方へ移動させ、オトガイ形成術も併用し、前後的な不調和が改善され緊密な咬合が獲得された。またバランスのとれた顔貌と口元の改善がなされた。
リスク 外科手術中に起きた下顎左側中切歯の骨性癒着による歯牙と咬合への影響が懸念される。